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【雑記】福島の思い出

東日本大震災から5ヶ月。
いまだ様々な被害による傷が癒えず、苦労も多い日々を送られている被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。

今回の地震では、福島県という名前が不本意な形で有名になってしまいました。
私はそんな福島に、今でも鮮やかに思い出せる、大切な夏の思い出があります。

葉透過

今からン十年前の夏、中学1年生の夏休みのことです。


私は11泊12日のキャンプに参加しました。
電気も水道も来ていない山の上で、テントを張って生活するというもの。
参加者は中学生が15人くらい、大学生のリーダーが5人(?)くらい、そして大人が1人。
さすがにそんなワイルドな企画のため、女の子は私ともう1人だけ。
リーダーの中には1人くらい女性がいたかな?

そのキャンプ生活を送った場所が、福島県南部の町、白河郡棚倉町にある山でした。

満点の星空と次々に流れる流れ星。
山の上の1本松に登って、町を見下ろしながらの読書。
手のひらより大きな、長い足の蜘蛛や大きな蜂。
閉鎖されたホテルは草に埋もれ、覗き込むだけで想像力をかきたてられてワクワクしました。

森の中

キャンプの間には色々なゲームをしました。

「子捨てゲーム」は、夜に寝袋と水など少量の荷物だけを持たされ、目隠しをされてリーダーの車でどこか知らないところまで連れて行かれ、ポンと捨てられます。
捨てられた子はヒッチハイクをして山まで戻らなければなりません。
すごく面白そうだったのですが、さすがに女の子はやらせてもらえませんでした。

「荷物探しゲーム」、これはみんなで一斉にやりました。
各自の荷物を、リーダーたちが町のどこかに隠してきます。
ヒントのメモをもらい、自分の荷物を探し出す、いわゆる宝探しゲームです。
小さな町とはいえ、ひとつの荷物を探すにはスケールが大きい!
それでもみんな、自分の大切な荷物ですから必死になって探しました。

「アルバイト&居候ゲーム」、これは女の子も参加させてもらえたゲームでした。
棚倉の町に下りて、民家を訪ねます。
そして、
「何でもお手伝いしますので、2泊の宿と食事を与えてください」
とお願いするのです。
男の子たちは苦戦して、農協に頼んで口を利いてもらったようですが、そこは女の子の利点で私は1発で受け入れてもらえました。

私を泊めてくださったのは、お米とタバコの農家。
そこで、タバコの葉を干す作業をお手伝いさせてもらいました。
タバコの葉って、子供の身長ほどありそうな、すごく大きなものなんですよ。
それを、太い縄を逆にねじって緩めた隙間に挿し込んで、縄を納屋の天井に引き上げて干します。
何日も経つと乾燥して縮んで、それが原料として出荷されます。
手伝った手はあっという間に真っ茶色。
ヤニって、すごいですよ。

稲穂の波

キャンプを終えて1~2年間は、その農家さんと年賀状などのやりとりがありましたが、やがて自然消滅してしまいました。

翌年もキャンプに参加したかったのですが、1学期の成績が今ひとつだったので、行かせてもらえませんでした…。
その後、その山は赤館城址公園として整備されたという話でした。

大学の夏休み、茨城に実家のある同級生の実家に遊びに行かせてもらいました。
その中の1日、友人に頼んで、一緒に棚倉町を訪れることができました。

山はきれいに整備され、廃墟の建物も、1本松も跡形もなくなっていました。
でもキャンプを張った中腹の広場は、見下ろす町の景色からここだったなぁと思い出すことができました。

居候ゲームで泊めてくださったお宅も、記憶を頼りに行ってみました。
ちょうどお庭に、色々と教えてくれたあの時のおばあちゃんが日光浴をしていました。
声をかけてみようか。
すごくすごく悩んだのですが、憶えていてもらえなかったら寂しいという気持ちが先行して、遠くから眺めるだけで帰ってきてしまいました。

内陸にある棚倉町は、今回の震災においては人的被害はなかった、とホームページに載っていました。
原発事故の避難地域にも入っていないようです。

今このご時世では考えられないような体験をいっぱいさせてくれた、福島県棚倉町。
人生の中でたった12日間ですが、一生忘れない思い出でもあります。

福島が、天災と人災の二重苦から開放されて、「うつくしまふくしま」を1日でも早く取り戻せますように。


※文中の写真はイメージです、撮影場所は全て北海道内です※

|  日々雑感(はるか) | 07:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑















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