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海蒼 絵葉書館*Photo Log

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【写雑記】神威岬(積丹町)

奥州平泉で自害したはずの源義経は、海を渡り蝦夷地に上陸していた。
そうしてやってきた日高平取にあるアイヌコタンで、酋長の娘チャレンカは義経に恋をした。
けれども先を急ぐ義経は、行方を告げずにコタンを出て北を目指して神威岬にたどり着いた。
後を追って神威岬まで来たチャレンカだったが一歩間に合わず、義経は沖へと出てしまっていた。
呼べど叫べど届かない。
チャレンカはついに気が触れて、神威岬から海に身を投げ、その姿は神威岩となった。
以来、神威岬は長いこと女人禁制となってきた。


「神威岬」と名の突く岬は道北の枝幸町にもある。
この義経伝説の残る神威岬は、道央の積丹町にある岬。
広域地図はコチラ。
詳細地図はコチラ。
積丹半島の海沿いを走る国道229号線を走ると、神威岬駐車場への看板が出ている。
入口にはゲートがあり、朝7時から日没までしか開門していない。
ゲートをくぐりちょっとした山道をのぼると間もなく駐車場に出る。
車を降りると2つの道がある。
ひとつは小高い丘の上にあるあずまやに向かう、笹薮に囲まれた道。


↑ 東屋から駐車場を見下ろす。
足元の笹薮は、秋になると一斉に黄金色に色付く。
駐車場の向こうに見える海岸線は、神恵内方向。


↑ 神威岬から日本海沿いに、道南の江差町のあたりまでは、ずっと切り立った崖や先の鋭い奇岩が海から顔を出している荒々しい風景が続く。


↑ 東屋から神威岬の突端、神威岩を望む。
神威岬の先端は海面から70mもの高さがある。


↑ 神威岬への遊歩道入口のすぐ手前にある、電磁台跡。
戦争中に、対ロシア向けに作られた。
左奥に小さく東屋が写っている。


↑ 道の途中に咲いていたハマフウロ(9月撮影)。


↑ ツリガネニンジン。笹の足元に隠れるように、密やかに咲いていた(9月撮影)。

もうひとつは神威岬の突端に向かう「チャレンカの道」。
強風の日は危険なため、ここの門が閉じられて突端には行けなくなる。


← チャレンカの道入口の門。
女人禁制の岬と書かれているが、もちろん現在は女性でも入ることができる。


↑ チャレンカの道に入ってすぐ。
春(5月)で、まだ緑も少ない。
ここから岬の突端まではおよそ20分程度の道のり。
馬の背のような、断崖の上の細道は、上り下りも多い。

両側ともに絶壁の道は、透明度の高い日本海を見下ろすことができる。
シャコタンブルーとも呼ばれるその独特の青は、晴れの日には日本海にもこんなに明るく美しい色があったのかと思えるほどの輝きを見せてくれる。
けれども美しさへの反面、ここは住む人にとっての難所でもあった。
1990年代にチャレンカの道が作られるまでは、神威岬へは崖下に掘られた念仏トンネルを抜けて行っていた。
「念仏トンネル」とは変わった名前だが、それにはこんな由来がある。

海岸線に切り立った岩壁ばかり続くこの地では、隣の集落へ行くにも潮の引くのを見計らって海岸にある岩を渡るしか道がなかった。
それでも波に飲まれる事故が後を絶たないため、岩にトンネルが掘られることになった。
掘削機などない時代。
人の手で岩を掘り進むのは困難を極めた。
岩の両側から掘り進んだものの、反対側から来る掘削隊の位置がわからない。
そこで相手の位置を掴むために、お互いが念仏を唱えながら作業をしたことから、念仏トンネルと名がついたという。
トンネル内はカギ状に曲がっていて昼間でも陽が入らない。
けれどそこから見える、神威岩に沈む夕陽は絶景……らしいが、私は行ったことがない。
現在は内部が崩れてしまったために立ち入り禁止になっている。


↑ シャコタンブルーの海と、念仏トンネル入口。
突き出した岩のすぐ右側の岸壁下、黒くなっている部分がそれ。


↑ 画像はきれいではないが、念仏トンネル入口をズームで撮影。


↑ 神威岬の突端から眺めた、神威岩と夕陽(7月)。
神威岩はローソク岩とも呼ばれ、時期と角度によっては夕陽が、岩の先に灯る火のようにも見えるという。


↑ 陽が暮れると、海の向こうに烏賊釣り漁船のあかりが(7~9月頃)。

★ 最終訪問日 2007年9月
★ 最終更新日 2007年11月


北海道の写真でデザインしたポストカードあります*海蒼 絵葉書館*

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